青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
そこまで話した時、突然空から何かが降ってきた。
見事にそれはヨウの頭上に落ち、「イッデー!」敵に蹴りを入れながら頭部を押さえる。
つい浅倉は噴出しそうになったが、必死に笑いを殺した。賢明な判断だろう。
ヨウは舌を鳴らし、一体何だと周囲に目を配る。
「空からやけに硬いものが落ちてっ、なんだよ一体。まーじ痛かったんだけど…、ん? これは」
見慣れない物を拾い上げたヨウは、「もしかしてこれ」スタンガンか? 初めて見る現物に引き攣り笑い。浅倉に意見を求める。
目を見開く浅倉は、なんでスタンガンが空から落ちてきたのだと聞いてくるが、ヨウが知るわけない。
揃って視線を持ち上げた。
瞠目、空の彼方、ではなく、すぐ側のビルの非常階段で揉み合っている不良を発見した。
狭い踊り場で揉み合っている人間はまさしく今、話題に挙がっていた蓮と楠本。
二人は上体の半分ほどを手摺向こうの境界線から出ていた。
「落ちっぞあれ!」
ヨウの声を合図にしたかのように、二人の体が宙へ。
咄嗟の判断で蓮が手摺と楠本の手首を掴んだため、落ちることは一時回避できたが、免れたわけではない。
落ちるのは時間の問題。
「蓮っ…、くそっ! 荒川、あそこにどうやって蓮は行きやがった!」
「俺が知るわけねぇだろうが!」
ヨウの喝破にさえ耳に入らない浅倉は、「舎弟は大通りだよな!」詰問。
返答する前に浅倉が駆け出すものだから、ヨウは大袈裟に頭部を掻いて後を追った。
「あの舎兄弟っ、揃いも揃って突っ走りやがってっ。世話が掛かる! ざけるんじゃねえぞ!」