青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
知ってっか?
野良っつーのは、認めた相手に対しては忠誠心が高いけど、それ以外には敵意しか抱かないんだぜ。
俺はあの人にいつまでも忠誠心を向ける、向けてやるさ。
あの人が俺を不要だと思っても、俺はあの人をいつまでも舎弟として慕い続ける。
俺にとっての兄貴はあの人しかいないんだ。
リーダーもあの人以外認めない。浅倉がリーダーなんて認めない。
浅倉の下に集っている奴等なんざ絶対に認めるもんか。
蓮、俺はお前を憎み続けてやる。いつまでも憎み続けてやる。
サキさんを奪ったお前を許すつもりもないし、心開くつもりも、助けてもらうつもりもない。
こんな終わらせ方、望んじゃない?
そんなのお前の都合で私情、俺の知ったことか。
「お前は俺を止められない。覚えとけ、蓮」
楠本が垂れ下げていた手を持ち上げた。その手を掴んでいる蓮の手に添えた。
「お、おい」
何をする気だと目を見開く蓮に、アイロニー帯びた笑みを浮かべる楠本は「俺の勝ちだぜ」と意味深なことを言う。
何をするのか気付いた蓮は、「馬鹿!」死にたいのか、怪我したいのかっ! 声音を張った。
しかし楠本は変わらぬ表情で手に力を籠めた。