青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
疑うなら、まず此処に谷沢くんを連れて来て下さい!
猛抗議に前橋は目を点、向こうの女教師(徳井っていうらしい)も目を点にした。
「けどなぁ」
田山圭太ってのはお前だろ、前橋はまだ俺に真っ直ぐと疑いを掛けてくる。
だからぁ、俺は朝からタコ沢と楽しくも爽やかで地獄なおっかけっこをしてたんだって!
必死こいて逃げてる俺がどーやってピッカピカの一年生を恐喝するんだいべいべ!
ドッペルゲンガーでもいない限り、俺が犯行するのは不可能だろ!
俺は多重影分身なんて使えないってばよ!
俺の抗議に便乗したのは、まさかの恐喝された新入生二人組。
「確かに名乗ったのは『たやまけいた』でしたけど…、この先輩じゃなかったです。なんというか、こんなに大人しい人じゃなかったです」
「不良…さんみたいだったんですけど。連れもいましたし」
ま、不良とつるんでいるわけですから?
俺も一応、不良の分類には入るんだけどな!
新入生の言葉にほらみろ、と俺は前橋を睨んだ。
でも前橋は悪びれた様子もなく、
「不良ねぇ」
だったらこいつとつるんでる仲間って可能性もあるな、と疑念が仲間達に向けられた。
ちょ、まだ決まってもないのになんでそんなこと言うんだよ。
三年かもしれないじゃんか!
俺の名前を悪用してる奴がいるかもしれないじゃんか!
なんで勝手に、こっちの事情も聴かず特定しちゃうわけ?
激腹が立つんだけど。
そりゃ…、去年の俺を知っているなら普通に疑いの目も向けるだろうけど、生徒のジジョーってヤツってのを聴くのが教師ってヤツなんじゃね?
第一俺も仲間も恐喝なんて馬鹿なこと、するか! ドチクショウめ!
煮え滾る思いを噛み締めつつ、表向きで俺は冷静を装う。
「なあ、そいつ等ってどんな奴だった?」
俺の問い掛けに新入生二人は、ちょっと間を置いて「舎兄弟っぽかった」と答を返す。