青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


んー…、内容は普通の迷惑メールだよな。

カチカチ。

十字キーを押していた俺は、次の文面に肝が冷えてしまう。


 
┣━━━━━━━━━━┫

 クイズ挑戦権プレゼントは
 無駄にしちゃ駄目だよ?

 荒川の舎弟くん?

┗━━━━━━━━━━┛


―――…名指しされている。
 



待て、待て待て待て。

なんで迷惑メールのくせに俺が荒川の舎弟だって知っているんだ?

だって迷惑メールって相手を問わず無差別に送られるメールなんだろ?


なのに、なんで俺のことを知っているんだ?


俺は急いで拒絶したメアドを確認する。

どれも携帯アドレスではなさそうだ。

会社名が入っていない。


ってことはパソコンからのメール?

誰かが意図的に俺のメアドを握っているってことか?


「でもなんで…、俺のメアドを…」


気味が悪い。
すぐにでもメールを消してしまいたい。

でも簡単には消せない。

だって敢えて荒川の舎弟と名指しているメールなんだ。

これは証拠として取っておこう。

明日、ヨウ達に相談するために。


メアド変更は…、するべきだろうか。


俺は悩みながらもメアド変更は保留にしようと考えた。
もう少し様子を見てからメアド変更しよう。


ちょっと成り行きを見守らないと。

ごろんとベッドに寝転がった俺は、某迷惑メールに返信してみる。


「あんたは誰ですか?」と。

 
そしたらあら不思議、一時間おきに来ていたメールがぱたりと途絶えてしまった。

俺が迷惑メールの相手に不信感を抱いたことに気付いたようだ。

鳴らない携帯を翳し、俺は忘れかけていた不安を噛み締める。


なんか、ヤダな。この気持ち。
 

「すぐにでもヨウにメールするかな」


新規メールを開いて俺はボタンを押す。
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