青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「ケイの仇は誰よりも貴方やキヨタが取りたい。理解しているつもりです。でも行動するのはチーム。それを忘れないで下さいよ、リーダー」
力なく笑うモトは、
「さあオレはやるだけやりました!」
煮るなり焼くなり好きにしてください、と目尻を下げる。
この手で張り手をかましたのだ。一発どころか気が済むまで殴って欲しいと直談判する。
息をつくヨウは引っ叩かれた頬を手の甲で拭い、モトに手を伸ばす。
身構える弟分にデコピンして、「阿呆は俺だな」苦笑を零した。
熱くなりすぎて周りどころか自分を見失っていたと詫び、なんとなく目が覚めた気がすると相手に伝える。
するとモトは肩の力を抜かし、いつものヨウさんですね、と綻んだ。
「あららーん。ヨウちゃーん、モトちゃーんに説教されちゃったねんこり。引っ叩かれちゃってぇ、ダサーイ!」
「うーっせぇ。自覚ありだよ」
鼻を鳴らすヨウにケラケラとワタルは笑声を上げた。
ヨウは息をつき、叩かれた頬を食指で掻く。
本当に見失っていた気がする、周りも自分も。
舎弟がやられてしまい、何もかも自分で仇を討とうとしていた。
けれど違うのだ。
自分ひとりじゃどうにもならない。
仲間と一緒でなければ…、暴走を起こしそうになった自分に嫌悪だ。
いつもはケイが止めてくれる役を今回はモトが担ってくれた。感謝すべきだろう。
と。
「オレ…、ヨウさんを引っ叩いたんだよな。そうこの手でっ…、そう…、ウ゛ワァアアアア! オレなんてっ、オレなんてぇえええ!」
「だぁあああっ、馬鹿、モト! なにしてるんだよぉお!」
窓辺に駆け寄ったと思ったらモトが枠に足を掛け、そこから外に飛び出そうとした。
慌ててキヨタが取り押さえるものの、「オレなんてミジンコダァアア!」モトは大発狂。
ちょっと地獄に行って閻魔様とお友達になってくると言う始末。捨て身の張り手は、自分に大ダメージを与えたらしい。
ヨウも大慌てでモトを引き戻そうとするのだが、窓枠にしがみつくモトは涙目でもう駄目だと落ち込む。