青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「最近うちのチームメートが負傷してな。噂じゃ此処で可愛がってもらったらしいんだが…、真偽を聞きたい」
何の話やら、臼井はうそぶいてくる。
この赤信号機野郎。
キヨタが小声で毒づくが、幸いなことに相手方の耳には届いていない。
ヨウは追究を続ける。
噂はかねがね、舎弟を討ち取ったことで、また自分を打ち負かしたことで『B.B.B』が有名になったこと。
地元で怖じられる存在になったこと。
荒川チームが敗北したことが不良達の間で流れていることをトップに促した。
すると風間が大声で笑った。
「くそみてぇな舎弟さまのおかげで」
確かに知名度は上がったぜ、風間はせせら笑う。
よくもまあ、荒川ともあろう奴があんなのを舎弟にしたもんだ。
風間の皮肉はヨウの静かな闘志を燃やしているのだが、相手はそれに気付いているのか気付いていないのか。
腹を抱え笑うだけだ。
周囲からも嘲笑が聞こえるが、今は無視することにしよう。
「真実なんだな?」ヨウの問い掛けに、「ああ」交代制で可愛がってはやったと風間。良いストレス発散になったと述べてくる。
二日間、交代制で甚振ってやったがそれはそれは面白いものだったと和白が話しに加担。
「意外と根性はあってな」
一時間以上、嬲っても気絶しねぇんだ、と某青信号機野郎はのたまった。
何をしたか聞きたいか?
怒りを煽ってくる和白はまず鉄パイプで殴ってみたと無慈悲に告げた。
次にライターで何処まで熱さに耐えられるかの我慢大会。
根性焼きをつける際、悲鳴を上げたら負けのペナルティゲーム。
そうそう靴を舐めたら二時間だけ休憩させてやると言ってやった。
けれど舎弟はまったく応じず、自ずから苦痛を選択したのだという。
馬鹿な奴だと鼻を鳴らし、夜は外に放ったと一笑。
人間が一晩中雨に打たれて本当に風邪を引くかどうか実験してやったらしい。
翌日はぐったりしていたとか。
発熱していたから風邪は本当に引くらしいぜ、和白の痛快な台詞に唾を吐きかけたくなった。
だから舎弟は肺炎になりかけていたのか。
納得した。
自分が迎えに行く前から、ずっと雨に打たれていたのだ。
手の平に爪を立てるように拳を作り、「そりゃオモレェな」ヨウは小さな笑みを作って見せた。
次第次第に笑声を大きくし、一頻り大笑い。
向こうが訝しげな表情を見せる中、ヨウはぎらついた光を瞳に宿した。