青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
右手の痛みを無視し、ヨウはナイフを抜いている臼井に目を細めた。
「あいつに作った傷の重みはこんなもんじゃねえぞ。この俺に最悪の形で喧嘩を売りやがったこと、死ぬほど後悔させてやる」
「ッハ。そこまで大事か? あの舎弟。弱いくせにあの地味に執着するなんざきめぇな」
無駄口を叩く相手に、「執着?」馬鹿か、当然仇は討つもんだろ? だってあいつとはダチなんだから。
ヨウは薄ら笑いを浮かべた。
刹那、地を蹴って臼井の利き腕傷に拳を入れる。
転倒する相手の腹部に蹴りを入れ、靴底をそこにのせた。
「地味だからつるんじゃいけねぇってか? なあ?
俺とあいつの関係に言われる筋合いなんざねぇんだけど?
まじうぜぇ。
どいつもこいつもうぜぇんだよ。
学校でも此処でもなんで地味だの不良だの…、なんでそんなこと言われなきゃなんねぇんだ? ダチだからじゃ駄目なのか? あ゛?」
相手に体重を掛けるヨウは臼井を踏みつけると、向こうで倒れる和白に目を向け、告いで先ほど伸した風間に首を捻る。
和白はシズの蹴りによって身悶えているようだが、風間は復活したようだ。時間を置いたせいだろう。
「またナイフか」
最近の不良は拳でやるってのを知らねぇな、冷笑してヨウは余裕綽々と煙草を取り出すと一本取り出し、先端をライターで炙った。
そうしている間にも相手が向かってくる。
「急かすなよ」
すぐに相手してやっから。
火の点いた煙草に目を向け一閃するナイフの筋を見やると紙一重に避けて、小手にそれを押し付けた。
小さな悲鳴を上げる風間に、はいペナルティだとヨウは一笑。
素早く小手を払う。
持っていた凶器が宙に舞い上がり、向こうに転がった。
「テメェ等が話した根性焼きをつけるゲームってさ。確か悲鳴を上げたら負けのペナルティゲームだったよな? ケイはそれを耐えたんだ。テメェも、耐えられねぇわけねぇだろ? だってあいつより強いって自負してるみてぇだ、し!」
ストレートに拳を顔面に入れて相手を伸す。
鼻に拳が入ったせいか、相手は鼻からは血が。
「いってぇ」
手を振るヨウは、火の消えた真新しい煙草を銜え、アイロニー帯びた笑みを浮かべる。