青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


「―――…矢島がド変態だってのはよーく分かった。
いやテメェなら変態だって言われても驚きやしねぇよ。寧ろ納得だ、納得。

で? ケイを拘束してどうする気だったドドド変態」


「ったく。人の事情も聞かず変態だの、なんだの、相変わらず貴様は面といい性格といいブサイクだな。荒川」


「だっ、誰がブサイクだ」

「無論、貴様だ」
  
 

体育館裏にて。
 
見事にベッドから追い出され、廊下に放られた俺達は只今、現在進行形でいつもたむろっている体育館にいる。

ちなみに俺と矢島の運命の包帯は結ばれたままで、そこにいた仲間達は俺と矢島の拘束された姿に唖然のぽかん。

ワタルさんにいたっては大爆笑。腹を抱えて俺達の、いや俺の不幸を笑ってくれた。

ひ、酷いよなぁ。俺はこんなにも困っているのに!
 

固く結んである包帯を解こうとしてくれているのは弥生だ。
 

手っ取り早く包帯を切ればいいんだけど、生憎俺はこの包帯を再利用する予定。

ハサミで切られちゃ困るわけだ。

保健室に行って新しい包帯を貰えばいい話なんだけど、大暴れした後だからな。


行きにくいのなんのって今しばらくは利用できないだろ。


溜息をつく俺は弥生に解けそうかと声を掛けた。


「難しいかも」


結び目が小さ過ぎて指の力じゃ解けないかもしれない、彼女は苦笑を零す。


マージかよ。

じゃあ最終手段は包帯を切るしかないじゃないか。

弥生曰くソーイングセットは持っているらしいから、包帯を切断することは可能だとか。


このままじゃ教室に戻れないし、解けないなら切るしかないか。


顔を顰めている俺を余所に、ブサイクと言われたヨウはこめかみに青筋を立てて相手を睨んでいた。完全に喧嘩腰だ。

余裕綽々の矢島はフンと鼻を鳴らして腕を組んだ。


ということは?

俺の体は自然と相手側に引き寄せられるわけでして?
 
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