青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「いつでも何処でも一緒っス兄貴! それこそ例え火の中、水の中、草の中、森の中に…、あー、ズボンの中でも!」
「キャー! キヨタ、俺に『舎弟ゲットだぜ!』って言って欲しいんだろ! 俺、ビガビガビガヂュウと鳴くべきか?!」
「それは俺っちが言う役目ッス! ビガビガビガヂュウ!」
「んじゃあ俺は決め台詞! めざせ、舎兄弟マスター! …うっぇ、目が回ってきた! 舎兄ダウンなんだぜ!」
キヨタを下ろして俺達は笑い合い、馬鹿騒ぎした。
すっかり蚊帳の外にいるヨウは憮然と溜息をつき、「俺の芝居って一体」猿芝居はあながち嘘じゃなかったのかもしれないと肩を落とした。
腹を抱えて笑うワタルさんは、
「ケイちゃーんにしか効果ナッシングだったみたいだねぇ」
あんな芝居に引っ掛かる方が珍しいと揶揄し、前方を指差した。
「ヨウちゃーんはしなくていいのんさま? モトちゃんがお待ちかねなんだけど」
「あ? …っ、待てモト。俺達はキャラじゃねえだろ! 俺としてぇか?! ケイ達がしたこと、俺達もしてねぇか?!」
「え?」
「え? ってテメェ。マジでスタンバってたのかよ!」
スタンバっていたモトにヨウは全力でタンマをかけていたという。
ヨウもまだまだ調子ノリマスターには遠いようだ。
早くマスターになれるといいな。
調子ノリ舎弟は全力で兄貴を応援しています。舎兄は素質があるから、絶対マスターになれると思うぞ!
ということでこの物語は以降、調子ノリを目指した不良達の物語に…、なるわけもなく、本来の目的のために俺達はこっそりと学校を抜け出して五丁目に向かったのだった。