一途に IYOU〜背伸びのキス〜
「お人よしだよね。櫻井って」
「そうでもないけど。
……俺が、こんな風に全力で気遣うのは咲良だけだし?」
「どさくさに紛れて告白めいた事言うの、やめてくれない?
語尾上げるのも、似合わないし」
「あ、バレた?」
明るく笑う櫻井。
そんな櫻井を見て、あたしも笑った。
椋ちゃんと離れて1ヶ月。
あたしが無事に学校生活を送れてるのは、実行委員の忙しさと、櫻井のおかげだと思う。
毎日急がしく動いて、帰り道はバカな事言う櫻井と笑って。
だから、あたしは、なんとか笑えてるんだと思う。
「でも、ありがとう」
コップにお茶をついでいた櫻井が、ピタって止まる。
そして、持っていたペットボトルをテーブルに置いてからあたしを見た。