一途に IYOU〜背伸びのキス〜


――けど。


それじゃ、足りなくて。
絶対的に、足りてなくて。


離れて痛感させられたのは、結局、椋ちゃんへの想いの大きさだけ。
離れる前から分かってた事を、また思い知らされただけ……。


そんな想いを、思い出として缶の中に閉じ込めて、次の恋愛をするとか。
想い返してもらえる相手を探すとか。

そういうのもアリなのかもしれないけど。


あたしは、叫ぶ事しかできない子供だから。


だから……せめてもう一度。

走り出す事だけ、許して。




あと、一度でいいから。


あたしに、チャンスをください。










< 154 / 342 >

この作品をシェア

pagetop