文系男子のその後。
「…加藤か?」
名前を呼ぶと、何故か煙草を咥えた緑の動きが止まる。
『ああ、仕事は』
「まだ終わってないけど…一段落ついたし」
『…そうか、明日、暇か?』
「急に言われても…ね」
明日は確かーーーーー…あ。
有希の買い物に付き合うんだった。
「…悪い、用事が…」
『真朱、か?』
「な、…ちげーよ」
仕事だ仕事!と言うと、電話の向こうで加藤が笑った気がする。
『じゃ、明後日は』
「…なんでそんな会いたがるんだよ」
気持ち悪い、と喉まで出掛かった言葉は飲み込んで、カバンの中のスケジュール帳を捲る。
「…悪いけど来週まで休み無いわ」
『来週で良い。何曜日だ?』
「…火曜、と木曜」
『じゃ、火曜、ウチの事務所に十時』
「…ああ」