必死こいて桜姫やってやんよ!
「……!!」
と、憂依が何かに気付いたみたいだ。
眉を寄せて鋭く目を光らせ、あたしの目の前に立つ。
そして発した言葉は…
「お前背ぇ高くなってね?」
…てめぇは今日あたしの何を見て何を聞いてきたんだ。
誰もが履けば背が高くなる、カランコロンなるもの。
そう、下駄、を履いているのだ、あたしは。
「お前いつの間に伸びたんだよ。
縮めよ、キモいよ、てめぇはチビでいんだよ」
「あぁん?
んだよキモいって!
ナメんなっつーの!」
流石にキモいは酷い!!
この下駄12㎝もアップすんだよ!
なにかと便利なんだよ!
最高なこの下駄に文句言うな!!
…ってなんかずれたな。
そういやフランさんに男と間違われたのもこの下駄のせいか。
良いのか悪いのかなんとも微妙なところだ。