必死こいて桜姫やってやんよ!





「…おい」




何やらイライラしていらっしゃるソファーの上の変態様。



ん、と片手をあたしの方へ伸ばして。




「俺も許してやるからこっちこいよ」


「許される立場なのはソッチなんですけど!」




バカか、バカなのか。

バカなんだな?


よし、バカなんだよな?




「音寧々」




あたしが言った通り、今までずっと携帯をいじっていた彼がやっと言葉を発した。

なんの脈絡もなく、当たり前の様に、




「お帰り」




と、その凜とよく通る声で。



あぁ、心臓が震える。




「だ、抱き付いていい?」




素直に嬉しい。


スイの事も許してあげようかな…




「C以上になったらな」




なんて思ったあたしがバカだった!!


既に大和から離れて、スイに抱き付こうとしていたあたしのこの腕はどうすりゃいーの!!




「ってギャッッ」







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