必死こいて桜姫やってやんよ!





パソコンを閉じてあたしの後ろにいる人に礼をした時




「たっだいまーー」




とユルい声をした鳴海が帰って来た。




「…アレェ、いつの間にそんな仲良くなっちゃったの」


「…違ぇよ」




その声と対照的な低く、鋭い声。



あたしは一度キュ、と唇を噛み締めてから言葉を発する。




「我慢してるんだ、あたしがコレを使ってたから」




こういうとこ、優しいよね。


と、いたって普通のいつもと同じ声を意識した。



それからもう一度礼を言い、彼から降りてごめんと謝った後空いているスペースに座った。




「………」


「…プッ」




黒髪は顔を背け、それを見た鳴海はクスクス笑い始める。



コイツ等ワケが分からん。




「あー面白かった。

ってゆーか、怖いくらい何もしてこないね、どっちも」


「どっちもチキンなんだろ」




どっちも、って事は2つ。



多分片方は翔龍桜だ。


一応1週間前まではアッチに居たわけだし。



でも、




「アイツ等は来ないよ」







< 236 / 297 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop