必死こいて桜姫やってやんよ!
けどしょうがない。
そこまでの事をやったのはあたしなのだから。
自業自得、だ。
「おい」
「…なに?」
「コレ、」
あたしの隣に座り、パソコンをあたしの膝に置いた。
…誰のノーパソ?
「お前のと同じ様にデータとか色々ぶっこんであるから。
仕事やりな」
そーいやこの前以来ずっと放置しっぱなしだった。
「…ありがとう」
嫌ってるクセに、こうして優しくするから質が悪い。
…どうすればいいか分からなくなる。
現に、今だってそう。
コイツはあたしの横にいたハズなのに、今は後ろに…って後ろぉぉ!?
何やってんのコイツ。
何やりたいのコイツ。
あたしのこと嫌ってんのに、さっきの奴に穢れるとか言ってたクセに、何やってんの?
あたしをパソコンごと抱き抱えてどうするつもりなのだろう。
「早く仕事しなよ」
「あ、はい…」
無言。
THE 無言。
気まずくても手と脳は動かします。
あ、新しいプロジェクトどうしよう。
今までは服ばっかだったからな〜。
アクセとかに踏み込んでみようか…。
「シルバーアクセ」
「…え?」
「次の、シルバーアクセにしろよ」
…やっぱり、考える事は一緒なんだ、コイツとは。
「…ん、そうする」
とりあえずそれについての書類を作成し、詳しい内容についてはまた後日、とメールと一緒にデータを送った。
誰に、かというと。
あたしの補佐…というか、社長代理…的な人である、伊藤さん。
あたしはまだ学生だから、運営というか、そっち方面を主に手伝ってもらってる。
まぁびっくりすることに会ったことないけど(笑)
ビールっ腹のオッサンかもしれないし、ヨボヨボのじいちゃんかもしれない。
分からないけど、信用は出来る。
あの時助けてくれたのは伊藤さんだけだったから。