【短】カラフルな恋物語
彼のそばに無造作に置かれたケータイの、緑のランプがちかちか点滅する。
サイレントマナーにしているのだろう、バイブが鳴らないから、彼はケータイが鳴っていることに気がついていない。
メールが来たんじゃない?
気づいたらどうなの?
―気づいてよ
あたしはメタリックブルーをじっと見つめた。
気づいて。気づいて。
あなたが気づいて、ケータイをとった瞬間―
あたしはここを出てく。
… サヨナラをする。