あの日の僕は。



反射神経いいな。



「いーじゃんいーじゃん。俺の出番を有意義に待とうぜ?」


「どう有意義に待てばいいんだよ」


「え?雑談で」


「遠慮する」



僕は海里の手を肩からどかし、

「1時間後にはちゃんと戻って来るから」


息を吐きながら言った。



「でも」






「海里ぃ~!」





向こうから4人が走ってやってくる。


海里と同じ服。


きっと海里の学校の陸部のメンバーだろう。


4人の視線は僕に注がれる。



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