If〜桜龍の彼等〜【完】
私は席に着いたままジッと堪えた


ミズキが教室に入ってくると私に対する声もピタッと止んだ


だけどミズキがいなくなれば再び始まる


どんな短い時間であってもクラスメートはその時間を逃さない


そして話はたくさんの帯びれが付き、当初よりどんどん大きくなっていった


それでも堪えるしかなかった


自分が撒いた種だから…


彼等と一緒にいるためには、黙って堪えるしか方法がなかった


そして今日もタクトは学校に来る事なく放課後になった−−


「ルナちゃん、今日はどうする?」


ミズキが優しく聞いてきた−−


「私も行っていい?」


「もちろんだよ。

じゃあ一緒に行こっか」


私はクラスメートの痛い視線を浴びながらミズキと共に教室を後にした−−



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