If〜桜龍の彼等〜【完】
帰りの車内スズさんは何も言わず、ただ手を握りしめてくれた

下手に慰められるより、この温もりの方が私は安心出来た

そして家の前に着いた

「櫻井…

お前の事を思うと、柊の事許してやってくれなんて言えねぇけど…

あいつもお前と同じように苦しんでるんだ。

その事だけはわかってやってくれ」

「せんせい…」

「俺も柊と同じ立場にいたから、あいつの苦しみはよくわかるんだ。

チームもチームの奴らも守らなきゃいけない。

今桜龍はNo.1だ。先代が守り築き上げたものを自分のせいで潰すわけにはいかないんだよ。

あいつへの重圧は相当のもんだと思う。

だからって、あいつを許せなんて言えねぇ。

ただ…ほんの少しでもいい、あいつの気持ちを考えてほしいんだ」

タクトの気持ち…

考えたいけど…無理だよ…

だけど…

いつか理解出来る日が来るのかな

そうしたら、この苦しみが少しは楽になるのかな


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