If〜桜龍の彼等〜【完】
翌日−−

1週間ぶりに制服に袖を通した

未だにご飯を食べる気にはなれないけど…

学校を休むわけにはいかない

タクトが悪いわけじゃないもん

例え偽りであったとしても、タクトの申し出に許可を出したのは私自身

だからちゃんと笑顔で「おはよう」って言おう

そう心に決めて家を出た


だけどそこにいたのは…

タクトではなく

スイだった…

どうしてタクトじゃないの?


本当はわかってる

私の為を思ってこうしてくれた事

それでも私は…

拒絶されたとしても会いに来てほしかった…

なんてね…そんなわがまま誰も聞いてくれるわけない

悲劇のヒロインぶったって…

私はヒロインになんてなれない…


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