14日の憂鬱
『あ…わりぃ』



とは言いつつも、よけようとしない永井の姿に、私は少し口を尖らせる。



『何やってんの? 永井こそ。部活は?』



結局永井はそのまま座り続けたので、仕方なくそのまま私は机の中へ手を伸ばした。



『…んー…』


永井は少しバツ悪そうな顔をして、私のほうへ目線を寄越す。


『…もしかして』



なんとなく、その一言の続きが読めた。



『…辞めたの?』




『……』




永井が小さく頷いた。







『……そっか』



永井が辞めた理由はなんとなく見当がついた。




忘れ物を取りに来ただけだったが、辞めたと頷いた永井の背中が何とも言えない切なくて。




私も永井の隣の机に腰掛けてしまった。





『……別に、あのことが原因ってわけじゃねぇーぞ』







永井が鼻で笑いながら言う。

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