14日の憂鬱
永井はサッカー部だった。




その実力は1年生ながらにしてレギュラーになれそうなほどだと、誰かが言っていた。



だからと言って、自ら鼻にかけることもなく、毎日遅くまで練習に打ち込んでいる姿を何度も見かけた。



私はそんな姿を、野球部の練習中密かに見ていた。



野球部とサッカー部は正反対の場所で練習していたが、遠くからでも永井の背の高さはすぐに見つけてしまえるほど、私は自然と永井の姿を目で追っていた。




好きだとか自覚したわけじゃない。




気にならないといえば嘘になるけど。





そっと見守りたい。それだけ。





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