14日の憂鬱
永井と一緒に帰る日が来るなんて。


思いもしなかった。




靴を脱ぎブーツを履こうとする私のことを、永井は少し離れたところで黙って待ってくれていた。





そんなところすら、私には嬉しくてたまらなかった。


ブーツを履いて玄関を出てすぐ、何も言わず自然と永井は私の手を取った。





その行動に少し驚きながらも、これまた嬉しくて。



握る手にぎゅーっと力を込めた。






「なんか食ってく?」


「食べるー!」




私が元気よく返事をすると、頭一つ半上の永井が、えぇ~とおどけた。




「お前ダイエットやっぱり止めたの?」



「…えっ? …って、いうかさ、そもそもダイエットするって何で知ってたの?」



あの始業式の放課後。


永井と初めてキスしたあの時も、彼はなぜかそのことを知っていた。


私の質問に永井は目線を少し泳がせながら







「だって。俺…お前のことずっと見てたし」



加奈子とダイエットするぞーって決意表明してたときのことまで、見てたの?!


きっと…この様子だと。





授業中よだれ垂らして寝てたことや、くしゃみするその瞬間まで見られてたんじゃないかなぁ……。






ガーン……



ホントに私ダサいかも…。






「……どした?」



急に黙りこくった私に、永井が優しい声をかけてきた。






あーもう。



どんな姿見ても、今更引かないでよ…。




「なんでもないよぅ」






少し落ち込んでしまったときだった。






校門の近くに女の子と男の子が待っている。





あれは……










「……加奈子っ!!」
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