俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
止めどなく溢れる涙に


自分がこんなに泣けるなんて知らなかった。



こんな俺に、本気でぶつかってくれた太陽みたいな加奈子ちゃん。


絶対大切にするって思ったのに


俺は嫉妬にまみれてそれを簡単に裏切った。


自分のクソ加減に吐き気がする


汚い自分

卑劣な自分


こんな自分は加奈子ちゃんに
相応しくないのに


自分から離れたのに


「かな……こ…ちゃ……っ」



俺は今―――…


もう加奈子ちゃんに会いたくてたまらなかった。


加奈子ちゃんを抱きしめたい。


加奈子ちゃんにふれたい…


加奈子ちゃんに――…



優しい加奈子ちゃんに包まれたかった。


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