俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「…………」


ヤバい。


嬉しすぎてヤバいよ。


俺は思わず加奈子を抱きしめた。


やわらかくて暖かくていい匂いがする加奈子。


加奈子を抱きしめると疲れた気持ちが一気に吹き飛んだ。


「ヤバい…めっちゃ嬉しい……加奈子好きすぎる」


加奈子をギュッと抱きしめながらそう呟くと、


加奈子もつま先立ちをして俺の背中に手を回してくれた。


「私も。大好きだよ…いつもお疲れさま」


「…………」


加奈子の体温に、匂いに、声にどんどん満たされていく心。


「てかヒロキ体冷えすぎ。風邪ひいちゃうからお風呂入っておいでよ?」


「ん…」


俺は名残惜しい気持ちで加奈子から離れると、


チュッとその唇にキスをした。


「すぐ上がってくるから待ってて」


人差し指を立てる俺に加奈子は笑う。


「あはは、ゆっくり暖まってきてよ」


「やだ。時間がもったいねぇ」


「馬鹿ヒロキ~風邪ひいても知らないから」


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