俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「も、やだ…そんな事ばっかり言わないでよぉ」
まだ何もしていないのに少し乱れた加奈子の声。
「ヒロキのばか。エッチ…!」
そう言うと加奈子は俺に腰を抱かれたまま
俺の胸に手を押しあてて体を離そうとした。
そんな加奈子に
俺はなおさら腰に回した腕に力をこめる。
「バカは加奈子。俺が我慢してたのに、のこのこ来るからだろ?」
俺はキスで濡れた加奈子の唇にゆっくりと指を沿わす。
「…これは俺を誘惑した罰」
だいたい
これくらいでエッチとか言われても困る。
まだまだ全然足りないし。
何週間ぶりだと思ってんだよ。
「加奈子…今から声出したら、さらに罰ゲームだから」
俺の欲にまみれた脳内を加奈子に全部見せたら
加奈子は泣いてしまうだろうか。
俺は悪戯っぽく笑うとそのまま加奈子をベッドに押し倒した。
「え…むむむり…」
「だめ。親父が起きるから絶対に我慢して?」
俺はそのまま加奈子に馬乗りになると
加奈子の反応を見ながらゆっくりとその太ももに手を伸ばした。
「あっ…だめ」
「し―――…」
俺は加奈子の唇に指を当てた。