俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「……はぁ…」


思わずため息が出た。


俺だって…ずっと同じ気持ちで苦しかったのに


誰よりも辛さが分かるはずなのに


それを加奈子ちゃんにもしてしまってたんか…


俺は自分が愛子ちゃんしか見ていなかったことを後悔していた。


自分の身勝手さを



なのに…


こんな最低な俺を加奈子ちゃんは【世界でいちばんカッコいい】と言ってくれた。


ヒロキくんは寂しくないんだよと言ってくれた。


「加奈子ちゃん…」



誰かに告白されたのは初めてじゃない


だけど、

こんな風に優しく想われたのは初めてだった


俺だけを見ていてくれた加奈子ちゃん


今日は失恋でもっと苦しむと思っていたのに


いや、ツラい気持ちは確かにあるけど…


だけどそれでも俺は

加奈子ちゃんの言葉でだいぶん救われた気がした。



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