俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「加奈子ちゃんて黄色がすげぇ似合うね」


俺の言葉に加奈子ちゃんは照れ笑いをする。


可愛すぎて"可愛いよ"の一言は言えなかった。


「ビッグスライダーとか面白そうじゃねぇ?」


「え~いきなり?ちょっとまだ怖いなぁ」


「じゃあアレは?」


「あ!いいね!」


俺と加奈子ちゃんはとりあえず流れるプールに入ることにした。


まだ午前の早い時間帯。


全体的にまだ人がそこまで多くないのが嬉しい。


ほぼ貸し切りみたいな流れるプール。


加奈子ちゃんは大きめの浮き輪に座るように入ると


チャプチャプと水に流された。


そんな加奈子ちゃんに俺はジョーズのようにサイドから近付き、捕まえる。


「きゃ~!そんな捕まえ方されたらひっくり返りそうだよ~」


ぐらつく浮き輪の中で加奈子ちゃんが笑う。


跳ねる水しぶきに、毛先だけが濡れるツインテールの髪の毛。


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