俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
――ん?
向かい合って浮き輪を引っ張っていると、だんだん加奈子ちゃんのほっぺが膨れてきた。
「なに?」
俺が首をかしげると加奈子ちゃんは拗ねたように言った。
「なんかさっきからヒロキくんサービスし過ぎ」
「え?なにが?」
「…水着の女の子に笑顔返しすぎ」
「え?マジで?」
何回か女の子の視線を感じて目が合ったけど
俺、笑顔返してた?
「マジで?って無意識なの?…余計に最悪じゃん」
加奈子ちゃんは浮き輪の上で組んだ腕の中に
うなだれるように頭を隠した。
「いや…なんつうか、」
「言い訳とか聞きたくないも~ん」
頭を伏せたままの加奈子ちゃんに俺は頭をかいた。
俺の悪い癖だ……
チャラチャラしてた報いがこんな形で来るなんて。
「…ごめんね?加奈子ちゃん」
最低なのは本当だから、俺は情けなく謝るしか出来ない。
「ごめん。もうやめるし加奈子ちゃんしか見ないから…」