悪魔なキミと愛契約【番外編】
人間はなぜ、皆同じ服を着、集団行動を好むのか。
たかが登校するだけで、群れになり、皆俺を見ては皆同じ表情をする。
早く――…
早く、サラの待つ部屋へ行きたい。
人だかりを縫って、足を速めた。
こんな俺、シキが見たら驚くだろう。
人間の女に、ここまで必死になるとは。
父上も、今の俺と同じ想いをしていたのだろうか。
「今日は転入生を紹介する」
担任に連れられやってきたこの部屋で、ようやくおまえを見つけた。
窓際の、後ろから2番目。
驚いたように目を丸め、俺を見ている。
「……まさかな」
「ん? なんか言ったか?」
「いえ、なんでもありません」
「そうか、ならさっさ自己紹介しろ」