悪魔なキミと愛契約【番外編】
「吉井」
課長の声が、屋上を吹き抜ける風に運ばれてきた。
2人の髪が、サラサラと靡く。
右手で横髪をかきあげ、課長の声を受け止める。
「おまえは、覚悟はあるか?」
ベンチから立ち上がった課長の表情はとても真剣で、まっすぐな瞳だった。
「俺の全てを受け入れる、覚悟はあるか?」
徐々に、鼓動が静まっていく。
血液もゆっくりと流れ、顔の温度も、下がっていった。
「課長。
自分がお金持ちだからって、私がついていけるか心配してるんですか?」
「………」
「ん〜、まぁ、そうですねぇ。
確かに、お金持ちの家庭にはどんな厳しい決まり事があるか知りませんけど。
でも、課長が私を好きになってくれるなら、我慢くらいできますよ、きっと」