悪魔なキミと愛契約【番外編】


ドアノブに手をかけ、クルリと課長を振り返る。


「こ、婚約者との結婚がなくなったら、その、私が余ってますからっ!!」


暴れる心臓が、喋る私の邪魔をする。


噛めば噛むほど、恥ずかしさに襲われて。


耳まで赤くなるのが、自分でもわかった。


「どんなに頑張っても“それなりのレベルの女”にはなれないけど。

けど、か、課長を、そ、それなりに、む、夢中にさせてみせます!!!!」



カァァァっと、ますます熱が上がった。


目があちこちに泳いで、視点が定まらない。


す、すごいぞ、私。

よく言った。

初体験。


こんなに、心臓って、痛くなるんだ。


傷付いたときだけに、痛むものだと思っていたけど。


でも、その痛みとは、遥かに違う。


痛いのに、くせになる。




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