手の届かない君へ〜レジスタンス瞑Side〜
俺は、何も言わずに通り過ぎた。
別に言うこともないし。
あんたらの為にテストを受けてるわけでもないけどな。
テストなんて堅苦しいものを誰が好き好んで受けるか。
ただ、兄貴がうるせぇから受けてるだけだ。
テストを白紙で出したなんて兄貴の耳に入れようもんなら、俺の人生が白紙にされかねない。
あー、だるっ。
目の前にそびえ立つ建物を見上げると、ため息がもれた。
大学…憂鬱な場所だ。