俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「ほ…ほら!!悠斗、食事が終わってないよ!
私も食べるから!
お、お腹空いちゃったあ!」

私は目を逸らしながらも一生懸命、彼の意識をそこから外そうとした。

「百合子」

「あ、見て!バルコニーがある。夜景が綺麗よ。出てみない?」

私がそう言った瞬間…。

悠斗が後ろから私をフワリと抱き締めてきた。

え?

「百合子…、俺から逃げるな」

耳元で囁く彼の声は怒っている様な口調だけど、トーンは微かに甘い。

「…え…」


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