俺様婚約者~お見合いからの始まり~
彼の手はそのまま私のニットの服をズルリと引き下ろした。

胸から上のない肩丸出しの柔らかいニットは呆気なく胸の下まで下がり、お腹の辺りにぶら下がる様に小さくまとまった。

「…やっ…」

恥ずかしさでそれを隠そうと両手で胸を押さえるが彼に呆気なく払われる。

悠斗は私の肩から顔を覗かせて私の顔を見下ろしながら、
「何で指輪してないんだよ」
とポツリと言った。

突然問いかけられてドキリとする。

もう、それどころじゃないってば…!

「今日は…合コンで…」

思わず素直に答えてしまい、はっとする。

悠斗の手がピタリと止まった。

「…合コン?」

…う…。しまった…。

…怒った…?

…あれ?何も言わない。

動きを止めたまま彼は黙っている。

ああ、呆れちゃったのね…。

私の後ろにいる彼の表情は分からないけど、振り返る勇気はなかった。

だけど、現役女子大生である私の実情も分かってほしいわ。付き合いがあるんだから。誘われたら不参加なんて認められないのよ。

まあ、黙ってるんだから、黙認したのね。
当たりま…。

突然ガバッとソファーに押し倒された。

………!!









< 124 / 314 >

この作品をシェア

pagetop