俺様婚約者~お見合いからの始まり~
だけど…、怖い。

悠斗の事しか考えられなくなりそう…。

本当に、私でいいのかな…。

不安に胸が押し潰されそうだわ。

…やだ、泣いてる、私…。

そんな私の顔を覗き込んで悠斗がふわりと笑って言った。

「泣かないで、百合子…。
怖く…ないから…」

彼の優しい囁きに心がふと軽くなる…。

甘く押し寄せる波にさらわれる様に私はそっと瞳を閉じた…。



―――。



今までにこんな風に大切に扱われた事がなかった。

もう…、彼以外の男に触れたくない…。

私は今までに口にしたことのない、その言葉を彼に呟いた。

「…悠斗…」

「…ん?何…」

「………愛してる…」





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