俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「あ、…学校…、いつも一緒に通ってるから…、もう、行くのかな」

慌てて話題を逸らす。

悠斗はしばらく黙っていたが、突然、ニヤリと笑った。

「そうか…、百合子のお友達なら挨拶しなくちゃな」

…え?

悠斗は素早くシートベルトを外し車から降りた。

戸惑う私のいる助手席側に回り込んで来て、誠司が後ずさった瞬間に私の横のドアを開けた。

誠司は少し離れた場所から悠斗を睨んでいる。

その視線に気付きながらも悠斗は誠司に目も合わせずに、ニコニコしながらスッと私に手を差し伸べてきた。

とりあえず差し出された悠斗の手を握って私も車から降りた。


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