俺様婚約者～お見合いからの始まり～

「お、おはよう…誠司。
学校…？もう、出るの？」

「…おう。
早く準備しろよ」

「わ、わかった。…少し待っててくれる…？」

「ああ、いいよ」

私達が少しだけぎこちなく言葉を交わすのを悠斗は黙って聞いていた。

私は悠斗に挨拶をしようと彼の方を振り返った。

すると悠斗は私の肩の上に手を置いて、私の身体を誠司の方へ向けると自分も私と並んで隣に立った。

……？

私がキョトンとしていると悠斗はにこやかに誠司に向かって話し出した。

「お隣さん、ですか。
…初めまして、澤乃井といいます。

この度、百合子と婚約が整いましたので、これからお目にかかる機会も多くなるかと思いますが、…どうぞ、よろしく」

「……えっ…、婚約…？」

誠司は呆気に取られた顔をして悠斗を見ている。