俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「そんな結婚は、…百合子にはさせられない。

俺が…!、俺なら、偽りなく大事にしてやるよ!!」

誠司が私の肩を掴んで思いをぶつけてくる。

その指先は微かに震えていた。

「…誠司…」

そうね…。それもいいかも知れない、とふと思う。

誠司の愛に包まれているうちに、彼を愛する様になるのかも知れない…。

「…ちょっと待て。
いつ…俺が本気じゃないなんて、言った…?」

悠斗の声が再び私を現実に引き戻す。

「や…、だって、そうでしょ?
…大体、出会ったばかりで何も知らないうちから結婚する、って決めてたし、…好きとか、…関係ないって言ったじゃない」

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