俺様婚約者~お見合いからの始まり~
その後、車に乗り込んできた彼に尋ねる。

「あの…、大切な仕事があるって…、」

悠斗はハンドルを一旦、握ったが、すぐに離すと両手をさすりながら呟いた。

「…やべ…、まだ震えてる…」

彼の手は私が見ても分かるほどにガクガクと小刻みに揺れていた。

私はそっと彼の手を自分の掌で包み込むと唇を寄せた。

「…百合子…」

「ねぇ、悠斗…。もう一度、言って…?」

「…は?」

「さっきの…、言葉…」

「…え…」

私はねだるように彼を見詰めた。

彼はフッと軽く息を吐くと私の耳に口を寄せて囁いた。

「…愛してるよ…、百合子。…お前だけを…」

ぎゃ~~~!!!

自分で頼んでおいて何だけど、これは、かなり恥ずかしい!!

しかも、そんな色っぽく言わないでよっっ!!


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