俺様婚約者~お見合いからの始まり~
次の瞬間、私は悠斗に飛び付いて彼を抱き締めていた。

「お…、おい、百合子…!」

悠斗が私の勢いに押されてバランスを崩し後ろに倒れた。

「いってぇ…、おい…」

私は彼の上に乗ったままの体勢で悠斗を見下ろした。

その私の顔を見て悠斗が驚く。

「え…、何だ…」

私は溢れる涙を止める事もなく滴らせていた。

「悠斗…。…う…、嬉しい…。

私…、私、頑張る…から。

私も…、誰よりも…、悠斗をずっと、愛してる…から…」

悠斗はにこりと笑いながら「ばぁか」と言って私の唇を指先でなぞる。

「…頑張らなくてもいいよ。

そのままで…いい」

そう言ってゆっくりと上体を起こすとそっと唇を重ねてくる。

唇の感触をお互いにそっと確かめ合う様な優しいキス…。

そしてそっと唇を離すと彼は笑いながら「会場に戻るぞ」と言った。


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