俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「あの…、お父さん…。
あの、澤乃井社長と、知り合いだったの?」

父は私に視線を戻すとにこりと笑って答えた。

「ああ。そうだよ。
大学の同期でね、三十年来の親友なんだよ。

百合子が小さな頃に何度か会っているが、覚えてないだろう。

…あ、悠斗くんとも子供の頃に会ってるぞ。
まあ、百合子はまだ二才だったけどね」

…え、悠斗とも会ってるの…。さすがに二才じゃ、記憶は全くない。

「あの時は…、確か、彼がバイオリンを披露してくれていたく感動したよ。

…あ、澤乃井、すまない」

バイオリンの話をついしてしまったのか、父は澤乃井社長に軽く詫びる。

「いや、鹿島、いいんだよ。

いつかまた、聞く日が来るといいんだが…。

私が悠斗からそれを奪ったんだが、鹿島と私の約束が守られたんだから、いつかそれを盾に許してもらうさ」


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