俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「はい、承知致しました」

悠斗の言葉に付き添いの女性がいそいそと一旦席を外す。

今度は私が呆気に取られる番だった。

いきなり一着目からオーダーするなんて。

面倒だからなのか、あまりに手抜きな選び方。

私は何だか無性に悲しくなってきた。

何で、こんな…。
私の事を好きじゃないにしてもあんまりだわ。

「百合子、今の紫色のドレスに被らないデザインで白いドレスも選ばなくては…」

話し出した彼を私はキッと睨んだ。

彼が私の顔を見て話を止めた。

「……?百合子?」

きっと私の目には涙が滲んでる。

だけど彼から目が離せなかった。

「あなたにとっては些細な事かも知れないわ。
だけど、私にしたら一度きりなのよ…!
ドレスを選ぶ自由さえ私にはないの…?!」

堪り兼ねて思った事を一気に話す私を悠斗は驚いた顔で黙って見ていた。



< 40 / 314 >

この作品をシェア

pagetop