ある日突然...
役員会
発表
コン、コン、コン!
執事の甲田がノックをして入ってきた。
「黎様、お食事の用意ができております。」
「あぁ。今行く。」
「かしこまりました。」
甲田が部屋から出ていくのを見ながら、ベッドから起き上がる。頭をかきながらシャワールームに行き、熱目のお湯で眠気を洗い流す。
着替えて、ダイニングに行くと、みんな揃っていた。
「おはようございます」
というと、
「おはよう」
「黎!遅いぞ!」
「黎ちゃん、おはよう!早くすわって食べなさい!」
次々に声がかかる。
席に着くなり、父さんが、
「今日からは、気を張っていろよ。小関のお嬢さんをねらっている輩は、お前が思っている以上に多いぞ。足元をすくわれないようにしろよ。」
「はい。肝に命じます。」
父さんに言われて改めて実感する。絢乃は小関のお嬢様なんだよな。俺の前にいるときは一人の絢乃にすぎないけど・・・