勘違いしないでよっ
座れば、なんて言っておきながら
自分の部屋にもかかわらず
やっぱりどこに座っていいのか
分からないあたしに
海斗は「座れば?」なんて言う。
あたしはみんなが突然現れたことに
拍子抜けしてずれたメガネを、
ベッドにあったクッションを
海斗の目の前に放り投げて
座ってから直した。
「メガネ、ダテじゃなかったんだ」
と、海斗が口を開いた。
家まで来てくれて、
2人きりになってまで
本当に言いたかった事は
こんな事ではないんだろうけど。
これは、この状況に未だ慣れない
あたしの緊張を和らげる為に
出してくれた話題だろうと思う。
「うん、目悪いから…」
この時初めて
男子が苦手で、融通の利かない
この性格が忌まわしく思った。
なのに海斗はあたしに気を遣ってか
面白い話ばかりをしてくれた。
今日の学校(といってもまだ
半日しか経っていない)の話や、
アツキの話。
全部面白くて、たくさん笑った。
…わだかまりがあるまま……。
「あの、それで…話があるんだよね?
明日香もアツキ君も待ってるから…」
そろそろネタが尽きてきた頃、
あたしから本題を切り出した。
「あぁ、えっと…」
そして海斗は話し出した。
あたしは、海斗との彼女の
喧嘩の元なのに…