愛してますから。


あれは桜の舞う季節、
新しい制服に身を包んだ生徒、新しい生活に新しい出会い。
それぞれが胸をときめかせる春、


「新しい出会いねぇ……」



馬鹿馬鹿しい、なにが新しい出会いだ。
どうせくだらない物事を学んでゆくだけだというのに… どうしてそう生き生きとした表情をできるのか、私にはわからなかった


1−2。それが私のクラスだった。
真ん中の窓側の席、風当たりもいいし日当たりもいい、最高の席だ。
ただ、クラスの連中を覗いて―……



「おいあいつっ、鬼姫じゃね?!」


「うわ、まじかよっ。同じクラスとか最悪じゃん…」


「え、鬼姫って……あの?」


「やだぁー… 怖ーいっ」



―――ガタッ



全く、気分が悪い!




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