それはたった一瞬の、


幼い時に負った傷は治ることはない。

癒えることはあっても一生消えてはくれない。


それだけのものを、大人たちは彼らに背負わせた。

夢の都なんかじゃない。
ここは大人が子どもを支配する「悪夢の都」だ。


「私が死んでしまえば、脳機能も停止します。永遠に変わらない青空なんて無いけれど、この空よりはずっといいはずです。
だから藍火」

私を、あなたの手で殺してください。


息を呑む音も響くほど、重い沈黙が広がる。

誰かの手によって破られる静けさではない。


私が、この静寂を打ち壊さないと。



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