We need Con Dome!!
「ブラボー!!」

バロスは声がした方を向いた。

一塁ベース……そこにはアレックスが立っていた。

ライフルを構えて。

「何のつもりだ?」

「……バロス。キミがいなくなれば"Con Dome"の解体が進むんだ」

それがアレックスとどんな関係があるのか。

バロスは気付いた。

「……貴様、名を何と言う」

アレックスは答える。

「……アレクサンドリア・オレバチガイ・ビックリラ」

バロスは驚愕した。

「AOBだと!? "Con Dome"の解体業者の御曹司じゃないか!!」

「That’s right!(その通り!)だからこそ、キミには消えてもらうよ」

AOBはライフルを構えた。

バロスは死を意識した。

だが、同時にあることを思い出した。

自分の懐にあるものを。

バロスはそれを取り出し、AOBに投げた。

その球は、ぐんぐん加速する。

そして、AOBの顔面に直撃した。

AOBは体のバランスを失い、その場に倒れた。

バロスは死に打ち勝ったのだ。

しばらくなにが起こったのかわからず立ち尽くしていたが、バロスは気がつき、セリヌの方を見た。

さっき投げたものを思い出す。

それは――古い野球の球。

幼少期、バロスとセリヌ遊んだときのボールだった。

それを、バロスはいつも持ち歩いていた。

「まさか、キミとの思い出が私を救ってくれるとはな……」

バロスは、思い残すこともあったが、その場を立ち去った。
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