私の小指が教えてくれた事



病院に行った。
「またさらに悪化してますねー、伴奏はしても構いません。一つだけ…ただ一つだけ守って下さい。」
「はい、なんですか??」
「ピアノを弾いていいのは、一日一回10分以内、痛くなったらすぐ止める。それを守らないんだったら今すぐにでも伴奏者をやめてください。」
私は…守る。心に誓った。
「絶対、守ります。約束しますから。絶対です。」





学校に行くと…
まただ。
合唱練習が始まった。


「一日一回、10分以内痛くなったらすぐ止める。」
その約束を胸に練習をした。


家に帰り、携帯をみるとリオからメールが来ていた。

「今日も一日お疲れ様。優勝狙って本番までがんばろう」
そんなメールが、合唱コンクール当日まで来た。

私はそのメールを見て、何度も泣いた。リオが私をそんなに思ってくれてたんだって……
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